日本酒選びのセオリー
Vol.1「相性の3つの基本形」

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今までの日本酒の世界では、「お酒と料理の相性」について、例えばワインのように詳しく語られることはありませんでした。しかし、ライフスタイルが変化するなかで、飲酒の目的や意義もずいぶんと変わってきています。おいしく食べ、おいしく飲む、新しい飲酒スタイルが定着するなかで、日本酒と料理の相性を考えることは生活を楽しむ上で欠かせない大切なテーマです。

近年の食生活の多様化にともない、日本酒と料理の相性も、よりきめ細かく、奥深くなっています。白鶴酒造では、その相性を知るために、日本酒を「甘辛」「濃淡」「香り」などのそれぞれのお酒が持つ特性に、料理を「甘味」「塩辛味」「酸味」「旨味」「苦み」などの基本味で分類して、日本酒と料理の個々の特性や味の相互作用を、飲食テストを通してひとつひとつ確認しました。これまでに100種類以上の料理について、このテストを繰り返してきました。

このような相性の研究方法は、白鶴独自独自のもので、様々な学会で、研究成果を発表しました。このコラムでは、その研究成果についてご紹介します。

日本酒と料理の味の強さをあわせること。例えば、濃い味つけの料理には濃醇なお酒、薄味の料理には淡麗なお酒という組み合わせです。日本酒と料理のバランスがとれないと、一方の味が突出したり消えてしまったりして、相性がよいとはいえません。

日本酒と料理の両方がお互いに作用しあって、単品では得られない調和した味を生み出すことです。例えば、酸味が強い酢の物などに甘口のお酒をあわせると、非常に調和のとれた味になります。

料理の後味や嫌味を日本酒で洗い流す効果のこと。この効果によって口の中がリフレッシュされ、料理をさらにおいしく食べることができます。例えば、揚げ物のように脂っこい料理の場合は、淡麗なお酒で口の中の後味を洗い流すと良いでしょう。

焼き鳥は、どのタイプの日本酒でも合うといえるのですが、基本形にもとづいて相性を考えるともっとおいしく楽しむことができます。焼き鳥は、素材そのものがもつ旨味が料理の基本味です。先ほど述べた3つの基本形のうち、「バランス」を重視するとアミノ酸の多い濃醇タイプの日本酒が、「ウォッシュ」を重視すると淡麗なタイプの日本酒と相性がよいといえます。言い換えれば、焼き鳥をたれで食べる場合は中口からやや甘口の日本酒と相性が良く、塩焼きの場合は辛口タイプの日本酒と相性が良いのです。

  • Vol.2「相性の基本法則と組み合わせ」

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