日本酒選びのセオリー
Vol.2「相性基本法則と組み合わせ」

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セオリー1では、お酒と料理の相性を知るための3つの基本形([バランス][ハーモニー][ウォッシュ])を提案いたしました。わかりやすく表現したつもりでしたが、更にかみ砕いて、相性を知るための基本型を説明したいと思います。

バランスとは、お酒と料理の濃淡の相性ですから、それらのつりあいを取ることが大切です。一方が濃い味で、一方が淡白だとバランスが悪くなり、両方をおいしく食べることはできません。

ハーモニーは料理を食べた後にお酒を飲んでも違和感がなく快く感じられるということで、後味がよいというのもハーモニーになります。

ウォッシュですが、料理をおいしく食べようとして、舌を水で洗うことがあります。でも水で洗ってしまうと、料理の余韻を楽しむことができません。その点、日本酒なら、料理の後味を洗い流す効果がありながら余韻が残り、次の料理への期待感も生まれます。

こうした相性は、一つの基本型で表現される場合と、二つを組み合わせる場合があります。あまり難しく考えるのではなく、いろいろなマッチングの面白さを楽しめばよいと思います。

次に、料理との相性を考える上で、是非知っておきたいことがあります。それは、日本酒の特性です。この点についてもご質問が多かったので、簡単に説明しておきます。

料理との相性を考える上で重要な日本酒の特性には「濃淡」「甘辛」「香り」「酸・アミノ酸」などがあります。それに、「飲用温度」も大切な要素です。この5つの特性が料理との相性に大きく影響します。

いわゆる「味の濃い・薄い」のこと。日本酒に含まれる酸、アミノ酸などの成分が多いと濃醇タイプ、少ないと淡麗タイプになります(その他にも、糖分やアルコール分も濃淡に関与しています)。濃醇タイプはコクが深く豊かな味わい、淡麗タイプはなめらかで軽やかな味わいです。

いわゆる「甘口」「辛口」の違いです。糖分などの甘味成分の量だけではなく、酸、アルコール、温度などが影響します。甘味成分が少なく酸が多いと辛口になり、その逆だと甘口になります。

香りの種類とその強さによって、吟醸酒タイプ、生酒・生貯蔵酒タイプ、熟成タイプ、普通酒タイプに大別されます。吟醸香は果実のように、はなやかで軽い香りで、熟成香は老酒、シェリーのような重厚な香りです。生酒・生貯蔵酒はフレッシュで爽快感のある香りを持っています。また、日本酒本来の香りを主体とした普通酒タイプの香りがあります。

酸が多いと酸味が強くなり、アミノ酸が多いと旨味の強い日本酒になります。

温度が高いとアルコールの刺激が強くなり、より辛く感じられます(重要なポイントです!)。つまり、燗をして飲む場合は、好みの味よりやや甘口のお酒を選ぶのがコツです。吟醸香のような軽い香りは温度が低いほうが楽しめます。



料理の特性を知り、どの基本法則で相性を合わすかを考えた上で、日本酒を選ぶことで、食事はますます楽しくなると思います。どんどんトライしてみてください。

  • Vol.1「相性の3つの基本形」
  • Vol.3「具体的な相性の提案」

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