「日本酒女子」が急増中!
女性におすすめの種類や楽しみ方をご紹介します

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執筆:日本酒ライター 関 友美

ここ数年で「日本酒女子」や「おちょこ女子」という言葉をよく耳にするようになりました。SNSでは連日幅広い年齢層の女性たちが、楽しそうに日本酒の投稿をしています。彼女たちを惹きつける日本酒の魅力や、日本酒が近年になり世代を問わず愛されるようになった理由はどんなところにあるのでしょうか?

「今よりもっと日本酒を知りたい」という方、「これから日本酒を飲んでみたい」という女性向けに、日本酒の選び方と楽しみ方をご紹介します。

国内外でヘルシーな和食が見直され、「出汁」に熱い視線が集まっています。そして、あっさりとした和食のお供に選ばれているのが「日本酒」。和食と日本酒の相性が抜群なのは、出汁に含まれる旨味成分(アミノ酸)と、日本酒に含まれるアミノ酸が合わさることでお互いを補完し合い、旨味の感じ方が何倍にも大きくなり、幸福感や満足感を得られるからです。

ここ最近、日本酒自体の味わいにも変化があり、酸味のしっかりとした日本酒、低アルコールの日本酒、スパークリング日本酒など多様化しており、スパイスを使った多国籍料理や洋風のおつまみなどとも合わせやすいものが増えています。その理由として、醸造技術が進歩したこと、米や酵母など原材料の研究開発が進んだこと、造り手に若い世代が増えたことなどが挙げられます。

「なんて読むのだろう?」と首をかしげる難しい漢字のラベルばかりだった日本酒ですが、最近ではひらがなや英語で書かれた近代的なラベルを頻繁に見かけるようになりました。酒造りに携わる経営者(蔵元)や造り手の世代交代が進んで、若者が新しい挑戦を続けていることが理由のひとつと言えるでしょう。

若い感覚で制作されたオシャレで可愛いラベルは「捨てるのがもったいない!」と女性からも注目を集め、一輪挿しやインテリア小物として飾るなど、新しい楽しみ方も広がってきています。難しい知識をもたなくても、洋服のように気軽に感性に合う日本酒を手に取ることができるようになっています。

日本酒の味わいには「香り」「糖分」「酸」「アルコールの強さ」「にごり」といった要素が影響しており、これらのバランスによって「甘めかな」や「結構辛いな」など、違いを感じます。

日本酒の味わいに関してはこのようにさまざまな要素があり、ボトルを見ただけで選ぶのは難しいものです。そこで初心者におすすめしたいのが、「フルーティな香り」「低アルコール」「オシャレなパッケージ」の3つのポイントで日本酒を選ぶことです。

フルーティで爽やかな香りがする日本酒は味わいも同様にフルーティで飲みやすいものが多く、日本酒初心者に適しています。

フルーティな日本酒の探し方
ボトルの表裏両面のラベルを見て「吟醸」「大吟醸」と書いてある商品は、「吟醸づくり」といって低温で通常より時間をかけじっくり造ることで、華やかな香りを身にまとったお酒に仕上がっています。またフルーティな香りが出る酵母を使うケースも多く、味わいもきれいで透明感がありフルーティでやや甘口なものが多いため、とっつきやすい日本酒といえます。

「吟醸」「大吟醸」という記載を目印にして、まずは「フルーティな日本酒」をキーワードにお酒を選んでみてください。口コミで「洋ナシのよう」「りんごのような香り」「メロンみたい」など、「フルーティ」と評判のものを手に取ると良いでしょう。

「お酒は好きだけど、日本酒は初心者……」という方におすすめするのが、低アルコールの日本酒です。日本酒のアルコール分は大体15~19%が一般的。アルコール分が高いものは、旨味をガツンとダイレクトに感じやすい反面、初心者にとっては一口目でアルコールの匂いが気になることもあります。そこで、5~12%くらいの低アルコールの日本酒からはじめるのが良いでしょう。

低アルコールの日本酒のなかには、発泡性の「スパークリング日本酒」も多いです。気軽に飲める日本酒を目指して造られたものが多く、万人受けしやすいのが特徴。難しいことは抜きにして「おいしい!」と感じやすいお酒です。

開発の際、メーカーでは味わいとフィットするラベル(ジャケット)をデザインし定めます。商品のコンセプトや届けたい想いが、飲む人に伝わることを願っているからです。味わいは、瓶を開けて飲んでみるまでわかりませんが、想いを込めたラベルやパッケージ(ジャケット)を見ると、少しだけ中身を想像することができるかもしれません。

近ごろでは可愛らしいもの、スタイリッシュなものなど多様化しています。洋服や本のように、ピンときたお酒を手に取ってみてください。

和食はもちろん、各国の料理と相性が良いといわれている日本酒。実はフランスをはじめ世界中のシェフたちが注目しています。

ワインとのペアリングが難しいと言われるものはいくつかあり、牡蠣はそのうちのひとつです。牡蠣はレモンを添えてワインと合わせますが、日本酒ならレモンを添えなくても臭みが出ず、みずみずしいミネラル分や旨味だけを感じながらペアリングできます。チーズも同様に、クリーミー感を引き立て、良い部分だけ引き出すことが可能。和食や刺身だけでなく、たくさんの料理とのペアリングやマリアージュに挑戦してみてください。

「そのまま飲まなければ!」なんて思わずに、自由に日本酒を楽しみましょう。ロック、炭酸割り、お茶割り、ジンジャエール割り、りんごジュース割りなど、気軽に飲んでみてください。

「身体を冷やしたくない」という女性も多いはず。焼酎より日本酒のほうが、身体を冷やしにくいといわれています。気になる人は、お湯割りしてもいいかも。日本酒のアルコール分はおよそ15~19%くらいです。焼酎より元々のアルコール度数が低く、割ることでもっとライトに飲みやすくなります。また「ちょっとこのお酒苦手かも」と思うものがあれば、レモンを搾ると爽やかさが増して飲みやすくなりますよ。さらに、炭酸を加えてみてもいいですね。

日本酒が多様化して、バラエティ豊かな日本酒の数々を取り扱う飲食店も増えてきました。それまで苦手意識を持っていた人が、お正月に親戚から勧められた日本酒がおいしかったから、という理由で新たに興味をもつことも多いようです。

また女性の造り手や、酒蔵で働く若者の姿をSNSやテレビで見る機会も増えました。「触れて気になったら理屈を抜きにしてまずは試してみよう!」とフットワークが軽い女性が多いのも、近年業界が華やかになってきている大きな要因のひとつではないでしょうか。

白鶴酒造は商品数も多く、アイテムの種類も豊富です。伝統技術の積み重ねと、近年の研究開発の賜物によって白鶴酒造にしか造れないユニークなお酒もあります。白鶴酒造の「別鶴(べっかく)」もそのひとつ。今回おすすめした「フルーティな香り」「低アルコール」「オシャレなパッケージ」といった3つのポイントも押さえています。

「別鶴」は、社内の若手が集まった「今までの『白鶴』とは異なるタイプの商品をつくりたい」という企画から生まれた日本酒。アルコール分は11~13%未満と低めで、合わせて欲しい料理はピクルス、マルゲリータ、ドライフルーツ(?!)と、今までの常識を覆すようなお酒です。

「あたらしい日本酒の世界を覗こう」というコンセプトどおりの、「木漏れ日のムシメガネ」「陽だまりのシュノーケル」「黄昏のテレスコープ」というユニークな名前に、まるで現代美術館に展示されているような斬新なラベル。テーブルに置いてもオシャレで、味わいも洋食やデザートにもよく合います。女性にもおすすめの「白鶴」のチャレンジ「別鶴」、ぜひチェックしてみてください。

【執筆者】
関 友美
日本酒ライター/コラムニスト/きき酒師

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