沼島の豊かな海と一本釣りの繊細な技術が支える「ぬしま鯵」。そのブランド化への取り組みが、未来への光となっています。沼島の豊かな海と一本釣りの繊細な技術が支える「ぬしま鯵」。そのブランド化への取り組みが、未来への光となっています。

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沼島

更新日:2018/10/15

「ぬしま鯵」としてブランド化を目指す

沼島は紀伊水道の北端に位置します。島を取り囲む海の潮流は速過ぎずも、穏やか過ぎずもせず、その環境が質の良い魚を育てる要因のひとつと考えられています。
そんな沼島で獲れるアジはハモ、タイと並ぶ地元の三大魚種のひとつ。ほどよく上品な脂のりと、しなやかな身の質が自慢です。
沼島のアジはかつて、「キアジ」という名前で商標登録されていました。しかし地元で「キアジという呼び名のほかの種類のアジがあるので、混同すると紛らわしい」との意見があがり、10年の存続期間終了後は登録を更新せずに商標は消滅しました。かわって現在では、沼島周辺で一本釣りによって漁獲されたアジを「ぬしま鯵」として、ブランド化することを目指しています。

竿を使わない手釣りが、沼島の一本釣り

アジの一本釣りが、どのようにして行われているか。獲れた魚を仲買いを通さず、自分たちで築地などに出荷している若手漁師のグループ、沼島一本釣り産直部(以下、産直部)メンバーの石井和夫さんの漁を取材しました。石井さんは、漁師歴約25年。父親も同じアジの一本釣り漁を行っていて、その背中を見て自身も一本釣り漁師になりました。

沼島ではアジの一本釣りの出漁時間は午前6時から午後1時までと決められており、この日も早朝に船は出港しました。一本釣りの船は小型の漁船。竿を使わない手釣りが沼島のスタイルです。現在の沼島には115人の漁師がいますが、一本釣り漁師が最多で全体のおよそ4割強。大型の船舶や道具など、多大な初期投資が必要ないことも、その理由のひとつです。アジ釣りのシーズンは2月から11月にかけてで、11月から3月くらいまでの間は、タイを釣るそうです。

石井和夫さん。アジの一本釣り漁師歴は約25年

港を出て、沖に向かって船を走らせることしばし。船を進めていた石井さんが、「ここらでエエか」とエンジンの出力を落としました。今日のポイントに到着です。

指先に伝わる感覚で魚と対峙。アジの一本釣りは繊細な漁

撒餌(まきえ)を詰めた仕掛けを海のなかに投入すると、石井さんは道糸(みちいと)を持った指先に全神経を集中させます。道糸から伝わる感触で魚がかかったかを判断し、そのたびに糸を上げ下げするのです。普段はひとりで漁に出て、これを繰り返すこと1日に数百回。それと同時に魚群探知器のモニターに映る魚影を見ながら、船を細かく操作します。一本釣り漁師というと豪快なイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実際に船の上で行われているのは、かなり繊細な作業なのです。

「漁師になって最初から一本釣りで、もう25年ほどしよる。親が一本釣り漁師やったので、その背中を見て育ったいうか。今は魚群探知器やらGPSやらがあるから、釣り自体は2~3年もあったら覚えられる。そやけど、ひとりで操船もしながらとなると、一人前になるには5年くらいはかかるんちゃうかな」

アジの一本釣りは、繊細な指先の感覚が求められる

最初のポイントでは思うように魚が食いつかず、漁場を変えるべく移動します。

「アジは流れの穏やかなとこが好きで、潮の流れが速い場所では食いつきが悪いんよ。一本釣りは網とは違って、ホンマに魚や自然と戦ってる感じがする。それが、楽しいな」
日ごと日ごとにはもちろん、1日のなかでも海の状況は刻々と変化します。積み重ねてきた経験から釣れるポイントを見極めるのも、漁師の腕なのです。

ポイントを変えたことが功を奏し、石井さんの針に次々とアジがかかります。釣り上げたアジを針から外す際は、目の前に張った紐状の「針外し」を使います。針を外されたアジはパイプを伝って、滑り込むように船内の生け簀へ。これはすべて魚を傷めないため、人の手がいっさい身に触れないよう工夫がなされているのです。

釣れるポイントを探るのも漁師の腕

「ここらはアジが外からも入ってくるけど、そんなんは身が痩せてるし、色も黒みがかってる。沼島のアジは、ここらの海に居着いてるんよ。ほど良く身がついてて脂のノリもエエし、魚体も金色がかっててキレイ。質がエエのは間違いないし、築地に卸すようになって知名度も上がってきたと思う。そやけど、商売としてはまだまだこれから。自分らも、頑張っていかんとアカンな」

この日の釣果は石井さん曰く「まずまずやな」。午後に水揚げされたアジはその日の夕方に淡路島を発ち、翌日の深夜に築地に到着。朝のセリにかけられます。

水揚げされたアジ。沼島のアジは全体が金色を帯びているのが特徴

「ぬしま鯵」は築地で高級魚。地元の関西でも広めたい。

「『ぬしま鯵』を関西で広げたい」と上野代表。

築地で競り落とされた「ぬしま鯵」は銀座などの料亭や寿司店に卸され、その際には1kgあたり2,000円台後半から3,000円台で取引されるそうです。遠く離れた東京で、「ぬしま鯵」は質の良さから高級魚として扱われているのです。一方で沼島の地元・関西でアジといえば、大衆魚のイメージが根強くあり、たとえ「ぬしま鯵」といえど生産者が希望する価格での流通は難しいと言います。

そんな「ぬしま鯵」の現状について、産直部代表の上野浩史さんはこう語ります。

「魚の質は東京に出してもエエと言われるし、自分らでもエエと思う。そやけど、関西やったらどないしてもアジの値段は安いんよ。ホンマは関西で広げたいねん、この『ぬしま鯵』を。そのために、自分らで「ぬしま鯵」のタグを作ったり、イベント用のノボリを作ったりしよるんよ」

これから「ぬしま鯵」が東京でもっともっと有名になれば、逆輸入のような形で関西にも広まっていくこともあり得るのではないでしょうか。

「そやな。自分らもやっぱり関西の人間やから、『ぬしま鯵』を関西で食べてもらいたいねん。そのために、これからも頑張っていかなアカンな」

やわらかな笑みを浮かべながら、そう答えてくれた上野さんの目には、しっかりとした光が宿っていました。それはもしかすると、沼島の未来を差す光なのかもしれません。

沼島の名物料理!ぬしま鯵のアジフライ

ほどよく脂がのり身が引き締まった「ぬしま鯵」。フライにすることで、旨みが増して身はふっくらに。質の良い「ぬしま鯵」を使うことで、今までに食べたことがない「アジフライ」ができ上がりますよ。

※沼島一本釣り産直部は「ぬしま鯵」の直送も行っています。期間はアジが旬の6~10月まで。
電話(090-3629-2528/受付16:00~20:00)または、ファックス(0799-57-0727/24時間受付)でお問い合わせください。

ぬしま鯵のアジフライのレシピ

材料

  • ・ぬしま鯵1尾
  • ・卵1個
  • ・小麦粉適量
  • ・パン粉適量
  • ・塩適量
  • ・コショウ適量

作り方

アジを3枚におろす

包丁の先を尾のほうから頭に向けて動かし、うろこをこそげ取る。
まな板の上に新聞紙を敷いておくと、後片づけが楽になります。

尾のほうから包丁を入れ、ぜいごを削ぐようにして取る。
反対側も同様に。

胸びれのつけ根あたりから頭の先に向けて斜めに刃を入れる。真ん中あたりまで入れたらアジを返し、反対側からも同様に包丁を入れて頭を切り落とす。

腹を包丁で切り、刃先で内臓をかき出す。

しっかりと水洗いして、血合いなどを除く。

キッチンペーパーやふきんで身の外側と内側の水気をふき取る。

腹側から中骨に触れるくらいまで包丁を入れ、尾のほうへ包丁を動かしていく。背中側からも同様に。最後につながっている尾のつけ根を切り離し2枚におろす。

2枚におろしたアジの骨側を下にし、2枚おろしと同様に包丁を入れていき、3枚におろす。

包丁を寝かせるようにして身に当て、腹骨をそぎ取る。

身の真ん中あたりにある小骨を、骨抜きなどで抜いていく。
身に軽く指で触れていくと、小骨のある場所がわかる。
頭を切り落とした部分にも小骨があり、取り忘れがちなので注意を。
※今回はあえて皮を付けたままにしていますが、気になる人は皮を手ではいでおいてください。

アジを揚げる

半身の両面に軽く塩、コショウをしてから、まんべんなく小麦後をまぶす。
余計な粉ははたいて落としておく。もう半身も同様に。

小麦粉をまぶした身を溶き卵にさっとくぐらせる。

身の上にパン粉を乗せるように優しくまぶす。最後に軽く手で押さえ、余計な粉ははたいて落としておく。

油を175~180℃程度の中温に熱し、パン粉をまぶしたアジを入れる。揚げている間は、あまり動かさない。身の上下を一度、入れ替えるくらいに。

衣がキツネ色になったら完成。

[「白鶴丸が行く」沼島篇プレゼントキャンペーン] 絶品グルメをプレゼント!![「白鶴丸が行く」沼島篇プレゼントキャンペーン] 絶品グルメをプレゼント!!

プレゼントの応募は締め切りました。
たくさんのご応募ありがとうございます。

プレゼントの中身

[A] 沼島特産干物セット(季節の干物3種)(3名様)[A] 沼島特産干物セット(季節の干物3種)(3名様)
[B] 白鶴 サケパック まる (5名様)[B] 白鶴 サケパック まる (5名様)

応募期間

2018年10月15日(月)~2018年11月4日(日)23:59まで

応募にあたって

白鶴酒造株式会社(以下「当社」といいます)が実施する『白鶴丸が行く』沼島篇プレゼントキャンペーン(以下「本キャンペーン」といいます)への参加にあたっては、応募要項(以下「本要項」といいます)をお読みになり、内容に同意いただいたうえでご応募ください。
本キャンペーンにご応募いただいた場合は、本要項に同意されたものとみなします。

応募要項

キャンペーン概要

沼島篇の「漁港紹介」および「名物料理紹介」の記事について、アンケートに答えてご応募ください。
抽選で合計8名様に「沼島特産干物セット(季節の干物3種)」または「白鶴 サケパック まる 300ml×12本」をお送りします。

応募期間

2018年10月15日(月)~2018年11月4日(日)23:59

応募方法

応募フォームから、アンケートおよび必要事項をもれなく記入し、ご応募ください。

※本キャンペーンへの応募に関する通信料等は、お客様のご負担となります。

※複数回の応募はできません。

応募資格

本キャンペーンへご応募いただける方は、以下の条件を全て満たす方に限ります。

  1. 日本国内にお住まいの方
  2. 20歳以上の方

※当社社員および関係者は応募できません。

賞品内容
  • A.沼島特産干物セット(季節の干物3種)(3名様)
  • B.白鶴 サケパック まる 300ml×12本(5名様)
抽選方法・当選発表
  • 本キャンペーンは、応募専用フォームよりご応募を受付けています。電子メール、Faxからのご応募は受付けておりません。
  • 本キャンペーンにおける当選はお1人様1回までとさせていただきます。
  • スタッフが厳正な抽選の上、ご当選者様を決定いたします。
  • 当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。電話やメールでの当選結果のご質問にはお答えできませんので、ご了承ください。
賞品発送
  • 賞品の発送は11月中旬~12月上旬頃を予定しております。ただし、諸事情により、賞品の発送が遅れる場合があります。
  • 賞品のお届け先は、日本国内のご住所に限ります。
  • 賞品のお届け先は、当選者ご本人のご住所のみとさせていただきます。
応募無効

以下のいずれかに該当するときは、応募が無効になり、当選が取り消される場合があります。

  1. 応募時にご入力いただいた情報に誤りや不足がある場合など、応募内容に不備がある場合
  2. 応募資格を満たされていない場合
  3. 本要項への違反または不正行為があった場合
  4. 応募専用フォームよりご入力いただいたお名前・お電話番号・ご住所・メールアドレスに誤りもしくは入力漏れがございました場合は当選を取り消させていただく場合があります。
  5. ご住所・転居先が不明もしくは長期不在などの理由により、賞品をお届けできない場合、または一定期間内に賞品を受け取られない場合
注意事項
  • システムメンテナンスの不具合またはネットワークの混雑などにより、キャンペーンサイトから応募ができない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
  • 賞品の交換および換金には応じかねます。
  • 本キャンペーンの内容(賞品・期間等)または本要項を予告なく変更する場合があります。変更があった場合は、白鶴まるのブランドサイトにてお知らせします。
個人情報の取扱い
  • 本キャンペーンのご応募にあたりご入力いただいたお客様の情報は、本キャンペーンの抽選および賞品の発送等の目的のために利用させていただきます。また、個人を特定しない統計情報として、商品開発、販促などのほか、お客様サービス向上のために利用させていただきます。
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本キャンペーンに関する問い合わせ先は以下のとおりです。
白鶴酒造株式会社 お客様相談室
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今回訪れた漁港へのアクセス

沼島漁港
住所
〒656-0961 兵庫県南あわじ市沼島
URL
沼島漁協 http://nushima.jp/about/
吉甚(沼島の観光案内所) http://nushima-yoshijin.jp/
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