Q&Aここが気になる! 白鶴酒造に聞きました。

KEYWORD

お客様お客様Q

環境負荷低減のためにどのような取り組みをされていますか?

  • #環境負荷低減
  • #省エネルギー
  • #太陽光パネル
  • #ヒートポンプ
  • #節水
  • #廃棄物
  • #バイオマスエネルギー

白鶴白鶴A

CO₂の排出や水の使用量、
廃棄物量を減らす努力を続けています。

省エネルギーへの取り組み

白鶴酒造では、照明や冷凍機などをより省エネ効果が高い設備、機器に更新することで、エネルギー使用を減らし、CO₂排出量の削減を図っています。
また、社員一人ひとりが省エネルギーの意識を持ち、節電や適正な空調温度設定、エコスタイルなどを実施しています。

LED照明の導入LED照明の導入

自然エネルギーの利用

灘魚崎工場の屋上には1,176枚の太陽光パネルを設置し、年間約315,000kWhの発電を行っています。これは一般家庭約80世帯分の年間消費電力に相当します。
CO₂を排出しない、環境に優しい電力です。

灘魚崎工場の屋上の太陽光パネル灘魚崎工場の屋上の太陽光パネル

COLUMN
業界初、冷温同時取出ヒートポンプを導入。
良いことはどんどん取り入れています。

2012年に新設した灘魚崎工場では、業界で初めて「冷温同時取出ヒートポンプ」を導入しました。
ヒートポンプとは、熱と冷水を同時に作ることができる省エネ機器です。温かい熱を作るときに排出される冷たい熱を再利用することができます。また、冷媒(熱を運ぶ物質)には、自然媒体であるCO₂を使用しており、環境にも優しい機器です。
酒造りには、熱、冷水を利用する工程があります。熱を使う工程ではボイラーを稼働して蒸気で加熱し、冷水を使う工程では冷凍機を稼働して冷却します。
このように本来は別々に行われる加熱・冷却ですが、「火入れ」と呼ばれる殺菌処理の工程では、加熱と同時に冷却が必要になります。そこで、ヒートポンプを導入し、ボイラーと冷凍機の一部を代用することで、省エネを実現するとともに、CO₂排出量削減にも大きな効果を生んでいます。

<導入効果>
CO₂排出量 -34%
年間エネルギー使用量 -32%
ランニングコスト -24%

冷温同時取出ヒートポンプの一部冷温同時取出ヒートポンプの一部

経済産業省資源エネルギー庁長官賞を受賞経済産業省資源エネルギー庁長官賞を受賞

節水への取り組み

原料としてはもちろん、設備の洗浄や製品の冷却など、あらゆる工程で水を使用します。貴重な水資源を有効活用するため、節水活動を推進しています。
2019年度は生産量の減少に伴って水使用量も減りましたが、品質・衛生面の向上のために洗浄回数と時間を増やしたため、生産量に対する水使用量は増加しました。
今後は、排水や雨水の再利用を検討していきます。

水滴

廃棄物の削減と適正処理

白鶴酒造では、廃棄物量の削減に努めるとともに、リサイクル率の維持向上を図っています。
主要製品である日本酒は農産物や水を原料にしており、その製造過程で生まれる米ぬかや酒粕は貴重な資源として、また、ろ過に使う活性炭は肥料としてリサイクルしています。
また、製造過程で不要となったビンや紙パックなどもすべてリサイクルしています。

活性炭は専門業者に依頼し堆肥にリサイクル、酒粕は商品として販売活性炭は専門業者に依頼し堆肥にリサイクル、酒粕は商品として販売

ビンは色ごとに分別して回収ビンは色ごとに分別して回収

COLUMN
廃棄酒を再生可能エネルギーの原料にして、
地球の危機を防ぐ!

廃棄物削減の取り組みとして、廃棄酒(使用できなくなったお酒)を再資源化しています。
2012年、神戸市東灘処理場において、再生可能エネルギーの生産、利用を促進する「KOBEグリーン・スイーツプロジェクト」が始動しました。これは、廃棄物を資源として有効利用するための官民連携の取り組みです。地元企業から出る未利用バイオマス(食品廃棄物など)と、下水汚泥(下水処理の過程で発生する廃棄物)を混ぜ合わせることによってバイオガスの増量、汚泥処理の効率化、温室効果ガスの削減を図っています。
このプロジェクトに参画することで、白鶴酒造の廃棄酒も再生可能エネルギーに生まれ変わり、自動車燃料や都市ガスとして再利用されています。

※当プロジェクトは2021年3月に終了しました。

神戸市東灘処理場のプラント神戸市東灘処理場のプラント

お客様お客様Q

水を汚さないためにどのように対策していますか?

  • #水質
  • #環境事故防止

白鶴白鶴A

水質悪化や有害物質流出の未然防止に
努めています。

水質の管理

水質測定は月2回実施しており、汚染度合いを示す指標であるCOD(化学的酸素要求量)とBOD(生物化学的酸素要求量)の変化をしっかり管理しています。
白鶴酒造では、神戸市と協定した灘五郷酒造組合の基準に従って、水質の測定と管理を徹底しています。

水質分析の様子水質分析の様子

環境事故の未然防止

酒、油類が河川に流出してしまうと、自然環境に多大な影響を及ぼします。そのような事態に備え、白鶴酒造では年1回、流出事故を想定した教育訓練を実施しています。

タンクのパッキンの老朽化による漏れを想定した訓練。漏洩している部分をテープで補強し、別のタンクに移す。タンクのパッキンの老朽化による漏れを想定した訓練。漏洩している部分をテープで補強し、別のタンクに移す。

お客様お客様Q

3R(リデュース、リユース、リサイクル)には
どのように取り組んでいますか?

  • #リデュース
  • #リユース
  • #リサイクル

白鶴白鶴A

3Rを意識した製品設計に
取り組んでいます。

リデュース

白鶴酒造では容器の軽量化を推進しています。
2012年度、「灘の生一本(きいっぽん)720ml」のビンには、従来のものと比べ約6%(25g)軽い、軽量ビンを採用しました。
ビンなどの容器を軽量化することで使用原料やエネルギーを節約でき、省資源化、環境負荷低減につながります。
※「灘の生一本」シリーズは、灘の酒の品質向上を目的としたプロジェクトの一環として、灘酒研究会に加盟する酒造メーカー(2020年度は白鶴酒造、大関、菊正宗酒造、剣菱酒造、小山本家酒造、櫻正宗、沢の鶴、辰馬本家酒造、日本盛の9社)がそれぞれの持ち味を活かしてつくった統一ラベルの純米酒

「灘の生一本」のビン「灘の生一本」のビン

リユース

主に飲食店様向けに出荷する商品には、専用の容器(リユースビン)を使用しています。
リユースビンは繰り返し使えるように設計しており、空きビン回収後、洗浄して再利用することができる環境に優しい容器です。
再利用の効率を高めるために、リユースビンを使った商品は専用のケース(P箱)で出荷し、自主回収することで回収率を上げています。

リユースビンを使用した「上撰 白鶴」と「特撰 白鶴 飛翔」の徳利リユースビンを使用した「上撰 白鶴」と「特撰 白鶴 飛翔」の徳利

リユースビン出荷用ケースリユースビン出荷用ケース

リサイクル

製造過程で発生した不要な酒パックはすべて、紙の原料としてリサイクルしています。天パット(緩衝材)や化粧箱などを調達するときは、再生紙が使用されている製品を選択し、購入しています。このように再生品を積極的に使用することで、リサイクルの輪を広げています。
また、酒パックの一部を地元の就労継続支援事業所「御影倶楽部(社会福祉法人 木の芽福祉会)」に提供しています。御影倶楽部では手作業でリサイクルされ、さまざまな再生品として製品化されています。
このほか、白鶴酒造は容器包装リサイクル法の特定事業者として、指定法人「日本容器包装リサイクル協会」に年間約1,200万円の再商品化委託料を支払っています。

手作業による紙すき手作業による紙すき

酒パックリサイクル再生品のハガキとブックカバー酒パックリサイクル再生品のハガキとブックカバー