石川県輪島市・輪島港 石川県輪島市・輪島港

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石川県輪島市・輪島港

更新日:2022/10/14

石川県金沢市を出発し、能登半島を北へ北へとひた走り、およそ2時間のドライブで「輪島港」に到着しました。
港には数十隻の漁船がズラリと並んでいました。輪島は漁師、漁船の数で石川県一を誇ります。

輪島港の風景輪島港の風景

能登半島・外浦の沖合には天然礁が広がっていて、暖流と寒流が混じり合う好漁場。
魚種も豊富です。しかも、タイにヒラメ、アンコウにズワイガニなど、高級魚がどっさりと水揚げされます。
そんな高級魚の中でも頂点に君臨する魚が「のどぐろ」です。
最大50センチにまで成長するのどぐろは、大型サイズなら1尾1万円以上の高値がつくことも。
そんな超高級魚が、ここ輪島港では1年を通して水揚げされます。
早朝に水揚げされたのどぐろは瞬時にセリ落とされて、金沢はもちろん、東京をはじめ全国の市場へ運ばれていきます。

超高級魚「のどぐろ」超高級魚「のどぐろ」

まさに白身のトロ!超高級魚「のどぐろ」

「のどぐろ」は通称で、標準和名は「アカムツ」。
その名の通り、赤くて透明感のあるボディに、大きなまんまるの目が愛らしいお魚です。
そして、注目は喉の奥。炭を塗ったように黒いことから「のどぐろ」と呼ばれるようになりました。
その味わいは、まるで白身魚とは思えないほどの脂と旨味、とろけるような舌ざわりで「白身のトロ」とは言い得て妙。
高級魚の中でも別格として扱われるのも、納得の美味しさです。

輪島の漁師めしから誕生した「のどぐろ炙り丼」

お刺身、焼き物、煮付け、多彩な料理法で楽しめるのも、のどぐろの魅力。
輪島の漁師さんなら一番美味しい食べ方を知っているはず!ということで、JFいしかわ青壮年部連合会元会長、東野竹夫さんに伺いました。

JFいしかわ青壮年部連合会元会長の東野竹夫さんJFいしかわ青壮年部連合会元会長の東野竹夫さん

東野さんのイチオシは「のどぐろ炙り丼」!
その作り方は、豪快です。まず、丼にご飯をよそい、のどぐろの切り身をオン・ザ・ライス。
そして、のどぐろに向けて、バーナーの炎を噴射し、ボウボウと炙ります!

「切り身を乗せてから炙ることで、のどぐろの香ばしい脂がもれなくメシにいきわたるんや!」

と、東野さん。さらに
「仕上げに、のどぐろの肝を醤油に溶かした『肝醤油』をぶっかけます。肝は鮮度が命!」
とれたてののどぐろが手に入る輪島港ならでの絶品丼です。

のどぐろ炙り丼のどぐろ炙り丼

「肝醤油をかけたら蓋をして、丼ごとひっくり返すのがポイント。
ひっくり返すことで、まんべんなくメシに醤油がいきわたって美味しくなるんやよ」

丼ごとひっくり返すとは、なんとも豪快!

のどぐろ炙り丼のどぐろ炙り丼

輪島市は天然ふぐの漁獲量日本一

輪島産のふぐ輪島産のふぐ

フグといえば山口県下関市が有名ですが、実は、輪島市は天然ふぐの漁獲量日本一。
2011年から7度の日本一に輝いています。
この快挙を広く知ってもらいたいと、輪島港で水揚げされた天然ふぐを「輪島ふぐ」としてブランド化。
地域が一丸となって、輪島ふぐをアピールしています。

とらふぐをはじめとして、真ふぐ、ごまふぐ、ひがんふぐ、しろさばふぐなど、さまざまな種類の天然ふぐが水揚げされるのも、輪島の特徴。ふぐたちは産卵期になると輪島周辺に集まるため、水揚げされるふぐからは白子や卵巣をとることができます。こうした背景から生まれた伝統食が、ふぐの卵巣糠漬けです。

禁断の味覚 ふぐの卵巣糠漬け

ふぐの卵巣の糠漬けふぐの卵巣の糠漬け

ふぐの卵巣には猛毒が含まれていますが、塩と糠に漬けることで無毒化されます。しかも、無毒化するメカニズムは解明されていないという、世にも不思議な食品です。また、製造が許可されているのは石川県をはじめ、限られたエリアだけです。薄くスライスして、ちびちびといただきます。日本酒に合うのはもちろん、パスタなど洋風なメニューにアレンジするのも、オススメだそうです。

とりたいだけとれるからこそ。輪島の海を守りたい

刺し網漁をする東野さん刺し網漁をする東野さん

輪島の漁師・東野竹夫さんの刺し網漁は、輪島ならではのやり方だそうです。

「一般的に刺し網漁は、前日に網を仕掛けて、一度港に戻り、翌日に引きあげるんです。
けれど輪島では、朝4時に網を仕掛けて、2、3時間で網をあげる。それでも十分な量の魚がとれるんですよ。網にかかった魚をすぐに水揚げできるので、鮮度が保てる。それが輪島ブランドの売りでもあるんです」

網を入れて2、3時間後には引きあげる。この輪島独特の刺し網漁が始まったのは、第2次オイルショックがきっかけだったそうです。燃料を節約するため、苦肉の策として数時間で網を引きあげてみたところ、予想以上の魚がとれて驚いたとか。

改正漁業法が施行された今でも、まだまだ“とったもの勝ち”の風潮があると東野さんはいいます。

「漁師は人よりも多くの魚をとることがステイタスだと教えられてきた。
でも、これからは漁師同士が協力する時代。みんなが量よりも質にこだわって、輪島のブランド価値を高めることが大事なんです」

東野さんは、輪島ブランドの品質の高さをSNSでアピールしています。

「SNSを見た他県の料理店からも引き合いがあります。これからは、輪島の、特に若い漁師たちと協力して、5年後、10年後の未来を見据えた漁をしていきたい」

漁協関係者と集合写真 まる・旗

公式YouTubeでも輪島の魅力を配信中

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今回訪れた漁港へのアクセス

石川県輪島市・輪島漁港
住所
〒928-0075 石川県輪島市鳳至町下町166
URL
https://www.ikwajimagyokyo.jp/info/index.html
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