研究室のアイディアから生まれたクラフトジン

2024年に白鶴酒造では、神戸市産ボタニカルで神戸の風景や風土を表現したクラフトジン「KOBE HERBAL GIN 白風」を発売しました。このジンの開発を起点に、さらなる研究室のアイディアを形にしたクラフトジン「Lab. SeeD GIN(ラボシードジン)」の開発を進めています。ジンが持つ自由な発想展開と、日本酒造りで培った味わい評価の感性を掛け合わせ、従来の枠にとらわれない香味を持つジンを小スケールで製造販売する取り組みです。

1.研究開発を起点にしたものづくり

「Lab. SeeD GIN」では、小スケールでの製造販売に取り組んでいます。小スケールだからこそ、チャレンジしてみたい斬新なレシピの製造開発が実現できました。

「Lab. SeeD GIN」という名称には、研究室(Lab)で生まれたアイディアの種(SeeD)を商品として芽吹かせ、大きなブランドになるように育てたいという想いを込めました。またSeeDは、「見つめる・視点・確かめる・調べる・見つけ出す」の意味を持つ「See」と、「Discovery(発見)、Design(設計)、Development(開発)、Distill(蒸溜)」の頭文字「D」を組み合わせた表記とし、ジン開発への真摯な姿勢を表しました。試作検討を重ねて香味設計の可能性を広げ、味わいはもちろんのこと、お客様が驚きやジンの面白さ、開発担当者の遊び心を感じとれるブランドを目指しています。

白鶴オンラインショップや白鶴酒造資料館のみでの販売ですが、お客様との距離が近いため、味わいに関するさまざまなコメントが届きます。これらは開発の貴重なヒントとなり、さらに味わいをブラッシュアップし、次の開発に活かす、これを繰り返すことで、蒸溜酒に関する技術ノウハウを向上させ、新たな価値ある商品開発に取り組む継続的な活動につながっています。

  • 「Lab Seed GIN_01 写真

2.広がる香味表現の可能性

「KOBE HERBAL GIN 白風」と同様に、「神戸」というテーマでLab. SeeD GINを開発しています。第1弾となる「Lab. SeeD GIN_01」では、神戸の異国情緒を感じさせる風景や、喫茶店・洋菓子店から漂うモダンな街並みをイメージして、酒質設計しました。神戸港の開港以来、神戸市民の生活に根付く洋風文化の一つであるコーヒーをメインボタニカルとして採用し、芳醇なコーヒーの香りを引き出しました。コーヒー以外にも、シナモンを含む全6種の素材を組み合わせることで、洋菓子を思わせる優しい甘味となめらかでありながら複雑さを感じる味わいに仕上げました。また、蒸溜酒のコンペティションであるTWSC2026※1に初出品した結果、金賞を受賞し、その味わいも高評価を得ることができました。


※1 TWSC:日本で開催されるアジア最大規模、国内唯一の蒸溜酒コンペティション

  • TWSC金賞受賞した際の賞状の画像

続く「Lab. SeeD GIN」の挑戦

小規模製造で展開する「Lab. SeeD GIN」は、ボタニカルの選定や配合、蒸溜条件を柔軟に試作検討できる点が強みです。第2弾となる「Lab. SeeD GIN_02」でも、「Lab. SeeD GIN_01」とは異なる香味の方向性、異なるイメージをもって試作検討を進めました。

長年の日本酒醸造で培ったノウハウを主軸として、研究室ならではの従来の枠組みにとらわれない発想や遊び心を商品化する取り組みとして、「Lab. SeeD GIN」は新たなジンの可能性を広げています。今後も、神戸らしさと日本酒メーカーならではの視点を活かし、飲み手に驚きや発見を届ける蒸溜酒づくりを進めていきます。