「白鶴錦 蔵元の集い 2023」を東京・銀座で開催
~独自開発酒米「白鶴錦」を使用する蔵元10社が意見交換~
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白鶴酒造は、2023年9月15日(金)に独自開発酒米「白鶴錦(はくつるにしき)」についての意見交換会「白鶴錦 蔵元の集い 2023」を開催しました。
「白鶴錦」はその優れた品種特性が知られるところとなり、2012年に、はせがわ酒店の長谷川浩一社長のご紹介により高木酒造様の1蔵から白鶴錦の供給がはじまりました。年々その輪が広がり、現在は当社に加えて全国12の酒蔵(合計13社)で使用されています。このたび、これらの酒蔵のうち8社が東京・銀座の当社東京支社で、2社がオンラインで集まり、各蔵からの近況報告、2023年の白鶴錦の栽培状況、2022年度の醸造結果、きき酒結果について情報共有と意見交換を行いました。
今後も、「白鶴錦」が偉大な兄「山田錦」に肩を並べることができるよう、そして、みなさまに美味しいお酒をお届けできるよう、生産者様、使用酒蔵様、関係者様にもご協力をいただきながら、さらなる酒米品質の向上と酒質の向上に取り組んでまいります。



  △参加蔵元の皆様

 
<開催概要>
・各酒蔵の近況報告
・2023年白鶴錦の栽培状況(JA兵庫西 野村頼彦副センター長)
・各社白鶴錦商品の分析/きき酒結果報告と意見交換

<酒蔵と銘柄、蔵元の紹介>
    ≪酒蔵≫               銘柄≫                 ≪出席者≫
高木酒造株式会社(山形県)    十四代 純米吟醸 白鶴錦     ※都合により、「蔵元の集い」は不参加
株式会社澄川酒造場(山口県)   東洋美人 純米吟醸 白鶴錦    代表取締役社長        澄川 宜史 氏
五町田酒造株式会社(佐賀県)   東一 純米吟醸 白鶴錦      代表取締役社長        瀬頭 一平 氏(ZOOM参加)
清水清三郎商店株式会社(三重県) 作 純米大吟醸 白鶴錦      代表取締役社長        清水 慎一郎 氏
相原酒造株式会社(広島県)    雨後の月 純米大吟醸 白鶴錦   代表取締役社長        相原 準一郎 氏
亀の井酒造株式会社(山形県)   くどき上手 純米大吟醸 白鶴錦  ※都合により、「蔵元の集い」は不参加
阿部勘酒造株式会社(宮城県)   阿部勘 純米大吟醸 白鶴錦    代表取締役社長        阿部 昌弘 氏
                                 取締役製造部長・杜氏
                                            平塚 敏明 氏
株式会社新澤醸造店(宮城県)   あたごのまつ 純米大吟醸 白鶴錦 代表取締役社長      新澤 巌夫 氏
木屋正酒造株式会社(三重県)   而今 純米大吟醸 白鶴錦     ※都合により、「蔵元の集い」は不参加
株式会社加越(石川県)      加賀ノ月 純米大吟醸 白鶴錦   代表取締役社長        山田 英貴 氏(ZOOM参加)
梅錦山川株式会社(愛媛県)    梅錦 純米大吟醸 白鶴錦     代表取締役社長        藤原 康展 氏
                                 製造部                竹内 祐司 氏
桃川株式会社(青森県)      桃川 吟醸純米酒 白鶴錦     代表取締役社長        上田 友司 氏
白鶴酒造株式会社(兵庫県)    天空 純米大吟醸 白鶴錦     専務取締役 執行役員 生産本部長
                 オルタナティブ 純米大吟醸 白鶴錦                     櫻井 一雅 ほか



<2022年度 白鶴錦や醸造結果への各蔵のコメントまとめ>
《白米について》
例年に比べて割れが多いという蔵と少ないという蔵の両方があった。平均すると例年並みと思われる。
《麹について》
さばけよく温度経過は順調で出来上がりも良かったという声が多かった。
《醪について》
例年より溶けが悪く粕が多かった蔵が多い。これは昨年の気象の影響で他の酒米品種も同様と思われる。
《酒の品質》
例年通りアミノ酸が低くすっきり軽快な酒になったという評価が多かった。



<2023年の「白鶴錦」栽培経過>
生育状況は、田植え後の高温と平年以上の日照量により、良好となっている。草丈・茎数ともに平年並み。ウンカ類の飛来が少ない状況だが、念のため注意を呼び掛けている。JA兵庫西管内における白鶴錦の作付面積は約70ヘクタール。出荷計画は約330トン(5500俵)。



■独自開発酒米「白鶴錦」 https://www.hakutsuru.co.jp/community/hakutsurunishiki/
白鶴酒造が1995年から交配育種を開始し、2007年に品種登録が受理された山田錦の兄弟米である「白鶴錦」は、現在「超特撰 白鶴 天空 純米大吟醸 白鶴錦」や「白鶴 翔雲 純米大吟醸 自社栽培白鶴錦」といった当社の高級酒の酒米として使用されており、海外でも高い評価を得ています。また当社の取り組みを広く知っていただくために銀座にある東京支社屋上の圃場「白鶴銀座天空農園」での「白鶴錦」の栽培をはじめ、国内外に広く情報発信を行っています。2015年に設立した農業法人「白鶴ファーム」では本格的に自社での栽培も行っています。



■白鶴錦の特徴

栽培特性
山田錦に比べて背丈が約10㎝短く、芒(ぼう)がある。山田錦と同様に大粒で心白が大きい。
米粒の形状・構造
山田錦が楕円で、白鶴錦が正円に近く、断面の空洞は山田錦の2/3程度。山田錦と比べて雑味のもととなるアミノ酸が少ない。
醸造特性
山田錦と同様に麹菌が米内部までよく破精こむ。形状の違いからか、両者の米麹は甘み成分である糖組成に違いがある。専門家のきき酒の結果では、甘味や酸味、旨味などの要素が明瞭に感じられる傾向がある。
遺伝特性
両親はほぼ同じと考えると白鶴錦は父寄り、山田錦は母寄りである。心白の発現に関わる遺伝子にも違いがあることが明らかになり、心白の形が違うことはこれに起因する。
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