黄金色に染め上げられた田園風景は、 秋風を受け、さざ波のように その身をうねらせます。 紅葉が色づき始める頃に実るのは、 ずっしりとした大粒な酒米。 大地に届きそうなほど、 深々とたれたこうべは、 その逞しいしなりによって、 「今年がいい年だった」ことを 雄弁に物語ります。
米の声に耳を傾けながら、 稲を刈りとるつくり手の顔には、 自然と微笑みが広がるといいます。 その豊かな重みに、一年の労苦と 歓びがつまっているから、と。