時を迎えた醪(もろみ)は酒袋に入れられ、 整然と吊(つ)るされます。 吊るすという過程には、わざわざという 形容詞をつける人も多くいます。 必要とされる人手と時間、 酒となる量の少なさを考えれば、 確かにそうかもしれません。 それでも白鶴は、袋吊りにこだわりました。 自然の重みとゆっくりとした時の経過を 享受することでしか生み出すことのできない、 特別な、澄んだ味わいを求めたからです。
一滴、一滴としたたる雫。 そこには、今年一年の成果と 二七〇年以上にわたりつづく 白鶴の酒づくりのこころが注がれています。